傷病手当金はいくらもらえる?月給別の目安と計算のしかた
2026年10月
この記事でわかること
- 傷病手当金の1日あたりの計算のしかた
- 月給別のおおよその目安
- 「標準報酬月額」とは何か
- 加入して12か月未満のときや、給料が一部出ているとき
まず結論:お給料のおよそ3分の2が目安です
傷病手当金は、仕事以外の病気やけがで働けず、給料が出ないときに、会社の健康保険から支給されるお金です。心の不調で休む場合も対象になります。
金額は、ざっくり言うとふだんのお給料(税引き前)のおよそ3分の2です。ただし、計算のもとになるのは「手取り」ではなく、「標準報酬月額」という額です。ここから順番に見ていきます。
1日あたりの計算式
- 1日あたりの金額
- 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2
- 支給開始日
- はじめて傷病手当金が支給された日
- 支給される日
- 連続3日間の待期のあと、4日目以降の仕事に就けなかった日
協会けんぽの案内では、標準報酬月額の平均が17万円の場合、17万円 ÷ 30 ≒ 5,670円、5,670円 × 3分の2 = 3,780円、という計算例が示されています。
標準報酬月額とは
標準報酬月額は、基本給だけでなく、残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与を、一定の幅で区切った額にあてはめたものです。健康保険料や厚生年金保険料の計算にも使われています。
毎月の給与明細の額とぴったり同じではありません。自分の標準報酬月額は、会社の担当の方や加入している健康保険に聞くと確かめられます。
月給別のおおよその目安
標準報酬月額の平均が次の額だったときの、おおよその目安です。端数の扱いなどで実際の額とは少しずれることがあります。
- 20万円の場合
- 1日あたり 約4,450円 / 30日分で 約13万3千円
- 26万円の場合
- 1日あたり 約5,780円 / 30日分で 約17万3千円
- 30万円の場合
- 1日あたり 約6,670円 / 30日分で 約20万円
- 36万円の場合
- 1日あたり 約8,000円 / 30日分で 約24万円
あくまで計算のイメージです。実際に支給される額や日数は、加入している健康保険が審査して決めます。
手取りと比べるとどうなる?
傷病手当金は「税引き前のお給料の約3分の2」です。手取りと比べると、思ったほど減らないと感じる方もいれば、生活費が足りなくなる方もいます。休んでいる間の健康保険料や厚生年金保険料をどう払うかも、会社に確認しておくと安心です。くわしくは休職中の給料と社会保険料はどうなる?もご覧ください。
加入して12か月に満たないとき
支給開始日より前に、健康保険に入っていた期間が12か月に満たない場合は、次のうち低いほうの額で計算します。
- 支給開始日の属する月以前の、直近の続いた各月の標準報酬月額の平均
- 全被保険者の標準報酬月額の平均額(協会けんぽでは、支給開始日が2025年4月1日以降なら32万円。年度ごとに見直されます)
たとえば、入社してまだ数か月で、標準報酬月額が41万円の方でも、協会けんぽでは32万円をもとに計算することになります。健康保険組合や共済組合の方は、それぞれの決まりを加入先に確認してください。
給料が一部出ているとき
休んでいる間も、会社から給料が一部支払われることがあります。この場合、給料の額が傷病手当金より少なければ、その差額が支給されます。給料のほうが多ければ、その日の傷病手当金は出ません。
協会けんぽの案内では、休んだ日に支払われた有給休暇の賃金や、通勤手当・扶養手当・住宅手当などの手当は、調整の対象になるとされています。一方で、残業手当や見舞金などは対象外とされています。
同じ病気について、支給を開始した日から通算して1年6か月までです。途中で一度働いた期間があっても、その分は数えずに、休んだ期間を合計して1年6か月になるまで受け取れます。
計算の前に確かめておきたいこと
- 会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)に入っているか。国民健康保険には、多くの場合この制度がありません。
- 仕事が原因の病気ではないか。仕事が原因の場合は労災保険の対象になり、傷病手当金の対象外です。
- 申請書には、医師が「仕事ができなかった期間」を書く欄があります。医師が書けるのは、診察して判断した期間です。
申請書の医師の欄については、傷病手当金の申請書、医師に書いてもらう欄と頼み方でくわしく説明しています。
てあてクリニックは保険を使わない自由診療ですが、協会けんぽは、自費で診療を受けた場合でも、仕事ができないことの証明があれば傷病手当金の対象になると案内しています。申請書の医師の欄は、医師が診察のうえ必要と判断した場合に作成します。支給するかどうかを決めるのは、加入している健康保険です。
よくあるご質問
手取りの3分の2ですか、額面の3分の2ですか
手取りではなく、残業手当や通勤手当なども含めた税引き前の給与をもとにした「標準報酬月額」で計算します。おおまかには額面のお給料の3分の2ほどが目安です。
土日の分も計算に入りますか
支給されるのは、待期の3日間のあと、仕事に就けなかった日です。日数の数え方の細かい点は、加入している健康保険の案内で確認してください。
正確な金額はどこで分かりますか
標準報酬月額は会社の担当の方や加入している健康保険で確かめられます。最終的な支給額は、申請後に加入している健康保険が審査して決めます。
オンライン診療でも申請できますか
申請書の医師の欄は、オンラインで診察した医師も書くことができます。医師が診察のうえ必要と判断した場合に作成し、支給するかどうかは加入している健康保険が決めます。
てあてクリニックの料金
自由診療です(保険は使えません)- 初診
- 8,800円(税込)
- 再診
- 5,500円(税込)
- 書類 1通
- 2,200円(税込)
死にたい気持ちが強いときや、すぐに助けが必要なときは、救急(119)や、お住まいの地域の相談窓口に連絡してください。
参考:全国健康保険協会「傷病手当金」/全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」/日本年金機構「厚生年金保険の保険料(標準報酬月額)」/日本年金機構「保険料額表(令和8年度)」